腕立て伏せができない場合は、負荷を小さく調節できる膝立ちプッシュアップ、またはインクライン・プッシュアップでトレーニングを行うと効果的です。
腕立て伏せは体重の70%の負荷
腕立て伏せでは、両手に体重の約70%がかかります。体重50kgの場合、35kgの負荷がかかることになります。
言いかえれば、35kgのベンチプレスと同じなので、筋トレをしたことのない人は、1回もできなくても可笑しなことではありません。
腕立て伏せができない場合の筋力トレーニング
腕立て伏せができない場合は、負荷が小さくなる膝立ち、またはインクラインでトレーニングを行います。
膝立ちの場合は両手を体に近づけるほど、インクラインの場合は台の高さを高くするほど、負荷を小さくできます。
10回くらい反復できる負荷に調節して行うことが重要です。
10回くらい反復できる負荷
10回くらい反復できる負荷でトレーニングを行ったときに、最も効率よく筋肉がつくことが知られています。
これくらいの負荷のときに、適度な乳酸、低酸素など、筋肉がつく条件が揃います。
腕立て伏せの種類と負荷
普通の腕立て伏せを1.00とした場合との比較です。プッシュアップ(膝立ち)は、腰を伸ばして行ったときの負荷、インクライン・プッシュアップは高さ40cmの台で行った場合の負荷です。
種類 | 負荷 |
プッシュアップ(膝立ち) | 0.85 |
インクライン・プッシュアップ | 0.93 |
プッシュアップ | 1.00 |
負荷の小さい腕立て伏せ
プッシュアップ(膝立ち) | |
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①図1.膝を立て、両手を肩幅より広めに開き、ひじを曲げ上体を下ろします。 ②図2.息を吐きながら、腕を伸ばしていき、上体を持ち上げます。 腰を曲げる(両手を近づける)ほど負荷が小さくなります。 |
インクライン・プッシュアップ | |
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①図1.台の上で両手を肩幅より広めに開き、ひじを曲げ上体を下ろします。 ②図2.息を吐きながら、腕を伸ばしていき、上体を持ち上げます。 台が高いほど負荷が小さくなります。 |
プッシュアップ | |
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①図1.両手を肩幅より広めに開き、ひじを曲げ上体を下ろします。 ②図2.息を吐きながら、腕を伸ばしていき、上体を持ち上げます。 |
腕立て伏せのフォーム
お腹が落ち込んだり、腰がひけないように、上記のイラストのように体を真っ直ぐにして行います。
お腹が落ち込むと十分に肘を曲げることができず、腰がひけると負荷が胸から肩などに分散してしまいます。
また、腕立て伏せより先に腹筋など体幹のトレーニングを行ってしまうと、姿勢を維持できずにお腹が落ち込みやすくなります。
両手の間隔
両手の間隔を広げてワイドスタンスで行うと大胸筋への負荷が大きくなり、間隔を狭めてナロウスタンスで行うと大胸筋への負荷は小さくなるかわりに上腕三頭筋への負荷が大きくなります。
どちらかの筋力が弱い場合には、上記を意識して行うとよいです。
徐々に負荷を大きくしていく
トレーニングを継続して、10回×3セットが楽にできるようになったら、やっと10回できるくらいに負荷を大きくします。
これを繰り返し継続していけば、やがて普通の腕立て伏せができるようになります。